本記事では民事信託案件獲得のために欠かせない2つのポイントについてお伝えします。
1.民事信託の受任は難しい?
2.民事信託案件を獲得するために必須の取り組みとは
3.民事信託の受任率を最大化するために
4.提案書の活用方法
5.おわりに
いつも当コラムをご覧いただきありがとうございます。
(株)船井総合研究所 相続・信託ビジネスグループ 民事信託チームです。
本日のコラムは
超高齢社会における「認知症問題」に対して地域貢献がしたい!
民事信託に取り組み始めたばかりだが、定期的に案件を獲得していきたい!
平均受任単価70万円の民事信託案件で年間1,000万円を目指したい!
とお考えの司法書士、税理士、弁護士事務所の経営者様にぜひご覧いただきたい内容です。
目次
1.民事信託の受任は難しい?
民事信託に取組み始めた事務所様からよくお聞きするのが、
・「相続・民事信託セミナーで30名以上の集客があったが、受任には至らなかった」
・「無料相談会での感触はよかったと思ったが、その後につながらない」
・「遺言は受任できるが、民事信託はなかなか受任できない」
といったお声です。
不思議に思いませんか?
相続・民事信託と打ち出したセミナーや個別相談に参加している方には、何かしらの不安や希望、少なくとも民事信託の潜在的なニーズはあるはずです。
また、遺言が必要な顧客層に対しては、100%ではないにせよ、民事信託が優れた問題解決策として当てはまることが多いはずです。
では、どうやったら案件獲得まで至るのでしょうか?
2.民事信託案件を獲得するために必須の取り組みとは
民事信託案件は、「コンサルティング業務」であり、顕在化したニーズに解決策を提供する、紛争解決や遺産整理、相続税申告などとの案件とは根本的に異なる商品です。
すなわち、潜在的な不安やニーズを抱える顧客に対して、専門家である先生方がニーズを喚起してゆく作業が必要になります。
では、案件獲得に向けて、まず何から取り組みを始めればいいのでしょうか。
案件を獲得するためには以下の2つの取り組みが必要になります。
<取り組み①:まずは商品の設計を固める>
案件を獲得するために集客が課題と考える先生方が多くいらっしゃいますが
われわれ船井総研が最も優先順位を上げてご提案することは集客ではなく、【商品設計】です。
商品設計は集客の根幹を担う部分であり、商品設計なくして、集客の最大化はできません。
商品設計のポイントは以下になります。
・民事信託案件のターゲットの明確化
・民事信託による効果の把握
・サービス内容の明確化
・価格の明確化
まず上記4つのポイントを明確化することで、次のステップである集客・提案に繋がります。
<取り組み②:しっかりとした顧客育成を行う>
民事信託は、顧客の潜在的なニーズを喚起する必要があること、関与するご家族にもアプローチする必要があることから、適切な「顧客育成」が必要とされる商品です。
「顧客育成」とは、正しい情報の提供→リスクの把握→最善策の模索といった一連のコンサルティングの流れを指します。
顧客育成がきちんとなされないまま提案をしても、
「必要性が理解してもらえない」
「今は困っていなから、まだやらなくてもいい」
「ご家族が民事信託を理解しきれていない」
「ご家族に反対されて受任出来なかった」
といった要因で受任に至らないというケースがよく起こります。
そのため、見込み客に定期的に情報が届く仕組みや、相談者の先のご家族にも分かりやすく提案が伝わる仕組みを作り、「難しくてよく分からないので、やらない」という状況を失くしていくことがポイントです。
3.民事信託の受任率を最大化するために
ここまでの内容でお伝えしたいことは「民事信託の受任は難易度が高い」ということではありません。
現に、私たちのコンサルティング先では、民事信託サービスを提供し始めて、半年で10件以上の受任をしている先生もいらっしゃいます。
民事信託は、営業力に長けたセンスのある先生だけが受任出来るものでは決してありません。まずはしっかりと商品設計を行い、商品の特性を踏まえた提案フローの理解と、適切なツールを整備することで受任率を最大化することができます。
<民事信託信託の提案フロー>
顧客が民事信託を先生方に依頼するまでのよくあるパターンを整理すると、このようになります。
<心理的な動き> <行動>
①不安を覚える |親の体調不良やメディアの情報などで「何かしなければ」と思う
↓
②民事信託を知る |セミナーやウェブサイトなどで民事信託のこと勉強する
↓
③自分事として考える|個別相談に参加する
↓
④家族に話をする |家族に個別相談で聞いたことを伝える
↓
⑤家族事として考える|2回目の相談に家族で参加する
↓
⑥対策する決心をする|民事信託を依頼する
受任に到達するまで、この矢印を1段ずつ丁寧に「引き上げていく」という作業が必要となります。
つまり、どこかのタイミングで「よくわからない」という判断をされてしまったら受任は難しくなります。
<受任力を上げるためのツール>
こうした顧客の心理的なステップを引き上げ、ニーズを喚起することは、属人的なスキルに依存すべきではありません。そのためには、提案のクオリティを均一化するためのツールの活用が欠かせません。
様々なツールの活用方法が考えられますが、そのなかでも特に重要で、ぜひ活用していただきたいのが「提案書」です。
このオリジナルの「提案書」を上記の提案フローの中にうまく組み込むことで、顧客の「分からない」を防ぎ、受任する側も、ステップの引き上げ作業を確実に行うことができるのです。
私たちのコンサルティング先の事務所様では、提案書を利用するようになってからの受任率は、70%を超えている事務所様もいらっしゃいます。
4.提案書の活用方法
①提案書の基本構成は、以下のようなものをおすすめしています。
(1)状況整理 :ヒアリングをもとに、相談者の状況や希望を整理する
(2)リスク訴求 :このまま何もしないと起こりうるリスクを説明する
(3)対策の提案 :リスクを回避し、お客様のご希望を叶える提案をする
(4)料金・スケジュール:ご依頼いただいた場合の見積とスケジュールを説明する
②以下のように、提案書の提出率をKPIとしてとることが重要です。
<セミナーの場合>受任件数=セミナー参加者数×個別面談誘導率×提案書提出率×受任率
<HP経由の場合>受任研修=問合せ数×個別面談誘導率×提案書提出率×受任率
③先ほどの提案フローの各ステップに、提案書を組み込みます。ポイントは、ただ提案書をつくるということだけでなく、提案書をフックにして顧客の引き上げ作業をおこなうところにあります。
<顧客の行動フロー> <提案書の活用方法>
①不安を覚える |
↓
②セミナーに参加する|個別相談に参加した方には提案書を作成すると案内する
↓
③個別相談に参加する|提案書に必要な項目を抜け漏れなくヒアリングする
↓
④家族に話をする |提案書を渡す面談の場に、ご家族と来ていただくよう誘導する
↓
⑤家族事として考える|提案書をもとに提案を行う
↓
⑥民事信託を依頼する|
5.おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございます。
受任担当者の営業力に大きく左右されると思われがちな民事信託も、しっかりと商品の設計と顧客の理解をすることで、このように仕組み化することができます。
ぜひ、民事信託の受任率に課題を感じていらっしゃる皆様には、当コラムの内容を実践していただければと思います。
もし、実際のツールがどのようなものかみてみたい、ご自分の事務所での落し込みについて相談したい、といったご要望がございましたら、5月18日(月)・6月6日(土)に弊社で開催するオンラインセミナーにぜひご参加下さい。
セミナーでは、集客の根幹となる民事信託の商品設計の方法から案件獲得の肝となる提案方法について詳しく解説致します。
さらに、実際に全国の事務所様ご利用いただき「わかりやすい!」と好評をいただいている、提案書のひな形や各種ツールをご覧いただき、具体的な成功事例などを踏まえた解説をさせていただきます。
多くの皆様のご参加、心よりお待ちしております。
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