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  • 【相続の面談マニュアル/第1回】アイスブレイク~全体工程の把握

いつも当メールマガジンをご覧いただきありがとうございます。

相続分野のコンサルティングをしております、船井総研の廣瀬と申します。私は特に、相続の面談・受任力アップ研修に力をいれており、これまで数多くの研修やロールプレイングをご依頼いただいてきました。

今回、研修やロールプレイングでお伝えしている「面談のポイント」をマニュアルとして整備しましたので、全6回に分けてその内容をお送りいたします。

第1回は「アイスブレイク~全体工程の把握」です。

目次

相続サービスにおいて「面談」が重要な理由

相続という商品・サービスは「面談」で大きな差が出ます。

具体的には、
・受任率
・受任単価
・LTV(追加で受任になるサービス群)
・顧客満足度
・リピーター率

といった数値に大きな差が出ます。
これらの数値は事務所の売上や生産性を大きく左右しますので、相続分野で業績を上げる最大のポイントは「面談」といっても過言ではありません。

相続の面談を因数分解すると、以下の6つの工程に細分化されます。
① アイスブレイク~全体工程の把握
② 相続人・家族関係のヒアリング
③ 相続財産のヒアリング
④ ヒアリング事項のまとめ・リスク検証
⑤ サービス紹介・価格提示
⑥ クロージング

今回は、① アイスブレイク~全体工程の把握について解説していきます。

アイスブレイク

アイスブレイクの目的は、話しやすい雰囲気をつくることと、事務所の魅力や面談者のロイヤリティを高めることにあります。

相続は人生で数回しかない出来事であり、かつ士業事務所に相談するということ自体も、人生でほとんどないことです。
当然、士業の業種ごとの専門分野、サポート範囲など、ほぼ知らない状態で面談にきているケースがほとんどです。

この状態でいきなり面談を始めると、
・警戒心を解くことができず、十分なヒアリングができない
・サービスの魅力や価値が伝わらず、単価があがらない
・信頼を得ることができず、受注にならない

そのため、具体的な面談に入る前に、アイスブレイクで以下のことを実施し、良い面談が実施できるように場を整えます。

・事務所の紹介(実績・得意分野・カバーエリア)
・自己紹介(保有資格・業務歴・出身・専門分野)
・面談の流れ

事務所紹介および自己紹介では、相続の相談実績や、手続きから不動産売却、生前対策などお困りごとには全て対応できることを伝えます。こうすることで、様々な提案を含めてサポートしてもらえる、という意識をもっていただくことができます。「そんな相談までできると思っていませんでした」ということを防ぎたいわけです。
また、目の前の専門家に「とりあえずなんでも相談してみた方がよさそうだ」と思っていただけることが、受任率やLTVを上げるためには欠かせません。

面談の流れについては、以下のステップに沿って「本日はこの順番で面談をすすめますね」ということをお伝えしてください。
(お客様に対する言いまわしに調整してあります)

1. 相続全体の流れの確認
2. 相続のご状況確認
3. ご家族関係の整理
4. 財産状況の確認
5. 相続のご希望確認
6. リスクチェック
7. 今後の進め方のご提案

よくあるケースとして、相談者様がとりとめのない話に終始してしまい、必要な情報を正しく聞き取れないということが起こりがちです。
傾聴することも大事ですので、ロボットのように完全にその流れで、ということではもちろんありません。ただし、最も重要なことは「相続や生前対策のリスクを取りこぼさず、最適なサポートをする」ことです。そのためには、正しい順序に沿った適切なヒアリングが必要です。

また、基本的な面談の流れを決めておくことで、聞きもらしや提案もれを減らし、「いつでも・誰でも・一定の」面談品質を担保することが可能になります。

全体工程の把握

全体工程の把握では、以下の項目を確認します。
この工程は、専門家と相談者の知識のギャップ、認識のずれを無くすことを目的にしています。

・相続全体の流れをお伝えする
・相続手続きに関する期限をお伝えする
・相続発生日を確認する
・遺言の有無を確認する
・お客様の進捗を確認する(すでに進めている手続きや、ご家族との協議状況)

面談の最初の段階で、相続手続き全体の流れと期限を理解してもらうことが重要です。
工程の多い相続手続きを自身で進めるのは、そもそも難易度が高いと感じる方は多くいます。また、遺産分割協議がうまくいかないと「争い」になるため、専門家が中立的に進める方がよいことや、期限が迫っている場合は、当然、専門家に任せたほうがいい、といった認識をもってもらうことにもつながります。

相続発生日や遺言の有無、進捗確認は、基本的な確認事項かと思いますので説明は割愛します。

このような工程を冒頭にもってくることで、お客様の頭が整理され、その後のヒアリングで聞きとる詳細な情報についての準備が整います。
ここまでが、ヒアリングの前に必ず行っていただきたい「アイスブレイク~全体工程の把握」です。

まとめ

今回は、相続の面談における「アイスブレイク~全体工程の把握」についてお伝えしました。

繰り返しになりますが、面談の品質は事務所の売上や生産性を大きく左右します。
ぜひ、ベストな相続サービスをお客様に届けられるように、事務所全体の面談品質を磨き込んでいただければと思います。

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この記事を書いたコンサルタント

船井総合研究所 相続グループ

船井総合研究所の士業支援部・相続信託ビジネスグループです。
相続・財産管理業務に注力する会計事務所、法律事務所、司法書士事務所、行政書士事務所の相続周辺業務を中心に経営を考えます。