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  • 士業の今後はどうなる?相続業界の二極化を勝ち抜く経営戦略とAI活用術
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相続業界 時流予測レポート2026

目次

はじめに:2026年、相続業界は「格差の時代」

日本の社会構造が「多死社会」へと進む中で、続市場は拡大基調にあります。さらには、法改正も重なり相続や生前の対策への関心が以前よりも高まっている状況です。

実際に、相続税申告の件数や割合は過去最高を記録し、2024年4月の相続登記の義務化により相続に関する登記件数が急増しています。

その一方で、現場で経営者の皆さまとお話しするなかで強く感じるのは、「案件はあるのに、利益が残りにくい」という状況が加速している点です。

この状況の背景にあるのは、相続業界の「競争環境の激化」です。
士業のみならず多くの企業がこの多死社会に対してビジネスを拡大し、サービスの多様化や低価格化、より専門性の高いサービスを軸にしない限り淘汰される可能性が高い状況になりつつあります。

従来通りの「待ち」の経営では、気づいたときには競争から取り残されかねません。

本コラムでは、『時流予測レポート2026』の内容をもとに、相続業界の経営者が直面している課題と、2026年に向けて取るべき具体策を整理します。

1. 業界の時流:数字が示す変化

相続市場は拡大しています。
しかし現場では、「仕事はあるのに利益が残りにくい」という声が増えています。
つまり相続業界はいま、市場が伸びる一方で収益性が下がるという、ねじれた局面に入っています。
この構造を理解せずに施策を打つと、「集客は増えたのに忙しくなっただけ」で終わるリスクがあります。
ここでは、主要3業界(税理士・司法書士・弁護士)で起きている変化を整理します。

税理士業界:ターゲットの広がりとニーズの二極化

相続税の課税割合は年々増加しており、2023年には過去最高の9.9%を記録しました。
これは相続税が、一部の富裕層だけでなく、都市圏を中心とした「中間層」まで対象を広げていることを示しています。
一方で、顧客ニーズは単純に増えるのではなく、「高度な節税対策」と「手頃な申告プラン/身近な相談」へ二極化しています。
この変化により、従来型の“相続税申告だけ”の訴求では選ばれにくくなっています。

司法書士業界:登記義務化は一時的な件数増加に留まる

法務省のデータによると、2025年度の相続登記申請件数は前年比でマイナス12.6%と、大幅な減少が見込まれています。
死亡者数は増加傾向にあるものの、「相続登記」だけに依存した事務所運営では、2026年以降の成長が難しくなる可能性があります。

弁護士業界:相続ポータルの台頭と低価格事務所の台頭

遺産分割の調停・審判件数は増加を続けており、相続の「争続」化が加速しています。
しかし大手事務所の広告投資やポータルサイトの台頭により、リスティング広告の費用対効果は悪化しています。
その結果、問い合わせが減少する一方で、着手金0円などの低価格戦略を余儀なくされ、案件単価が「低単価化」するという悪循環に陥っています。

2. 2026年以降の予測:生き残る事務所の「3つの共通点」

2026年以降、相続市場は伸び続けます。
一方で、従来通りの「待ちの経営」では勝ちにくい局面に入ります。
つまり、”忙しいのに利益が出ない”状態から抜けるには、業務と商品設計を同時に変える必要があります。

① 商品設計の「二極化」対応

顧客層が「一般層」と「富裕層」に分かれる中で、一律のサービス提供は非効率です。
・一般層向け(標準化):
AIやマニュアルを活用し、非資格者・パートを起点とした業務設計で、処理スピードと品質を両立させる
・富裕層向け(属人化):
事業承継・M&A・国際相続など、高い専門性を前提に「付加価値型」の商品サービスを設計する
→ 重要なのは「全部を高単価で売る」ではなく、単価帯を分けて勝つことです。

② 「単価アップ」から「LTV最大化」へのシフト

相続税申告や登記など、“単発の手続き”だけで終わらせるのではなくこれからは、1人の顧客から複数の相談・依頼につながる体制と商品サービスの幅広さが重要になります。

・クロスセルの強化:
税理士が相続手続き・不動産売却まで支援する/弁護士が税務までワンストップで対応するなど、周辺領域まで含めた提案が標準になる
・生前対策への拡張:
相続発生後だけでなく、民事信託や身元保証、老人ホーム紹介といった「生前」から集客を実現できるチャネル開拓のアプローチが、収益の安定につながる
→ “単価を上げる”より、関係を続ける仕組みを作ったところが強いです。

③ 生成AI・デジタル技術の「実務組み込み」

生成AIは「試す」段階から、実務フローに組み込む段階へ移行しています。

・生産性の向上:
通帳の文字起こし/戸籍の読み取り/遺言の草案作成などをAIに任せることで、実務時間を大幅に短縮できる
・CRMによる顧客管理:
過去の相談者・顧問先に対して、CRM(顧客関係管理システム)を使って適切なタイミングで生前対策を提案する仕組みが必要になる
→ “AIを使う”ではなく、AI前提で業務を組み直すのがポイントです。

3. 2026年に実施いただきたいこと:経営者がとるべきアクション

2026年に向けて、今すぐ取り組んでいただきたいポイントは明確です。
ここからは、相続業界を取り巻く環境変化を踏まえ、経営者として優先度高く進めたい打ち手を整理します。

「人時生産性」を経営の最大テーマにする

まずは、自事務所の「人時生産性(売上÷総労働時間)」を算出し、現状を把握してください。
業界の中央値はおよそ5,000円ですが、組織化が進む1〜2億円規模の事務所では、短期的に数値が下がるケースも少なくありません。
重要なのは、売上を増やす努力だけではなく、“総労働時間を減らす仕組み”を同時に整えることです。
2026年に向けては、AI導入も含めた業務改善が、収益性を守る上で即効性のある施策になります。

「価値提供型」へのシフトチェンジ

司法書士・税理士の皆さまは、これまでの「手続き代行」中心の業務から、
「コンサルティング」へと提供価値を引き上げていく必要があります。
お客様が「専門家にお願いして本当に良かった」と実感できるサービスは、競合との差別化に直結します。
たとえば、二次相続まで見据えた提案資料の整備や、感情面に寄り添うヒアリング設計など、成果だけでなく“納得感”まで含めた体験価値が求められる時代です。

「新たな集客チャネル」の開拓

WEB広告の入札競争が激化する中、広告だけに依存した集客は年々難易度が上がっています。
今後は、SNSマーケティングやYouTube広告、LINEを活用した「潜在層」へのアプローチが重要になります。
特に50代以上のターゲット層は、すでにLINEを日常的に使いこなしています。
そこで信頼関係を構築し、ステップ配信によるナーチャリング(顧客育成)を仕組み化できれば、2026年以降の集客のとなるでしょう。

相続業界はどう変わるのか?

相続業界は今、まさに大きな転換点にあります。
多死社会という追い風がある一方で、ビジネスモデルそのものを時流に合わせて更新し続けなければ、競争に飲み込まれてしまいます。
「今のやり方で、この先も通用するのか?」
「競合がAIを使いこなしたとき、自事務所の強みは何になるのか?」
こうした問いに正面から向き合う経営者の皆さまを、私たちは全力でサポートしたいと考えています。
今回ご紹介した内容は、「相続業界 時流予測レポート2026」の一部です。
レポート本編では、以下のような詳細データや具体的なノウハウも公開しています。

・都道府県別の相続税課税割合ランキング
・売上規模別の人時生産性・スタッフ1人あたり売上の実数値
・年間受任100件を超える成功事務所の具体的な組織図とマーケティング手法

2026年に「淘汰される側」ではなく「市場を牽引する側」でありたいと願う経営者の皆様。ぜひ、このレポートをダウンロードし、貴社の次なる成長戦略の指針としてご活用ください。
船井総合研究所は、全国の相続注力事務所様とともに培った「勝ちパターン」を基に、皆様の伴走者として共に歩んでまいります。

 

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この記事を書いたコンサルタント

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