この記事では、1月~2月における「相続・遺言相談会」の傾向についてまとめております。
・相談会一回当たりの「反響数」は減少傾向
・ただし、受任率は上がっており、最終的な受任数は変わらず
・遺産承継や遺言執行の受任が増えたことで、受任単価は増加傾向

司法書士コンサルティンググループ 川崎 啓(かわさき けい)

ご支援先における1月~2月の「相続・遺言事務所相談会」の結果が出てきました。
結果はもちろん事務所やその商圏、タイミングなどによって異なりますが、大きく3つ。

(1) 相談会一回当たりの「反響数」は減少傾向
(2) ただし、受任率は上がっており、最終的な受任数は変わらず
(3) 遺産承継や遺言執行の受任が増えたことで、受任単価は増加傾向


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(1)について

これの理由は様々あり、また、「これ!」といった要因を挙げることも難しいのですが、
大きな理由の一つは「司法書士会や行政書士会の積極的な相談会開催」があるのではないかと思います。

これまで司法書士会などが開催する相談会には、7~8年前は債務整理相談が中心で、債務整理が下火になると、
相談会を開催しても殆ど問い合わせがない、ということがあったと思います。

しかしながら、最近は司法書士会が主催する相談会には、多くの相続相談が寄せられるとのこと。

そして、司法書士会だけでなく、行政書士会なども司法書士会以上に相談会を積極的に開催するようになっている。
相談機関が増えたことで、事務所相談会の集客人数が減っているのではないか、と思います。

そこで、対策としては
・事務所単独での開催を極力なくし、共催にすることで、自己負担を減らす&相談対応幅を広げる
・1回の相談会に認知活動を限定させず、リビング誌・広報誌などに定期的に告知して認知度を上げていく

事が必要になると思います。

(2)について

先生方の経験蓄積による面談力やツール整備などで、これまでに比べて受任力が上がっている、
という事もあると思います。

これまで以上に、相続登記や相続放棄などの死後手続の相談比率が下がり、
遺言を中心とした生前対策の相談比率が上がっています。
そうした内容についても、受任する為の面談力が上がってきていると思います。
遺言などの生前対策についての相談は今後も増えていくと思いますので、
遺言の面談力は今のうちから意識して力を付けていくことが必要になると思います。

(3)について
相続登記は平均報酬10万円弱ですが、遺言執行や遺産承継などを受任できると平均報酬60万~になります。
3年前に比べて、遺言執行や遺産承継を受任できるケースが増えていると思いますが、
今後はさらに、死後事務、不動産売却、任意後見などをサービス化し、受任していってほしいですし、
相続税申告案件も2015年1月から
増えているので、税理士に紹介するなど、単価アップをしていってほしいと思います。

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この記事を書いたコンサルタント

川崎啓

士業支援部 相続・信託ビジネスグループマネージャー シニア経営コンサルタント。
2009年、早稲田大学卒業後、新卒で株式会社船井総合研究所に入社し、司法書士事務所向けコンサルティングチームへ。相続専門支援を担い、2019年4月より士業支援部 相続・信託ビジネスグループのマネージャーに就任。
現在は税理士、司法書士、法律事務所の中で相続・財産管理分野に注力される事務所の経営サポート全般を行っている。
自身のミッションは、相続手続対応はもちろん、相続・生前対策を普及させる士業事務所創りを全国各地で支援することで世の中の相続問題解決を支援すること。事務所業績アップはもちろん、相続市場における士業事務所の地位の向上を後押しするため、日々経営サポートに励んでいる