いつも当メールマガジンをご覧いただきありがとうございます。
相続分野のコンサルティングをしております、船井総研の廣瀬と申します。私は特に、相続の面談・受任力アップ研修に力をいれており、これまで数多くの研修やロールプレイングをご依頼いただいてきました。
今回、研修やロールプレイングでお伝えしている「面談のポイント」をマニュアルとして整備しましたので、全6回に分けてその内容をお送りいたします。
第5回は「サービス紹介・価格提示」です。
前回の内容は、こちらのコラムをご覧ください。
【第1回】
https://sozoku-samurai271.funaisoken.co.jp/uncategorized/post-8004
【第2回】
https://sozoku-samurai271.funaisoken.co.jp/inheritance/post-8021
【第3回】
https://sozoku-samurai271.funaisoken.co.jp/inheritance/post-8043
【第4回】
https://sozoku-samurai271.funaisoken.co.jp/marketing/post-8127
目次
サービス紹介・価格提示の際に気を付けるべきこと
相続関連のサービスを提供する際、多くの専門家が直面する課題は、サービス内容や価格提示が顧客にとってわかりにくい、または魅力的に伝わらないことです。特に以下のような間違いがよく見受けられます。
サービス内容の不明瞭な説明
例えば「遺産整理を行います」という説明だけでは、具体的に何をするのか、なぜ必要なのかが伝わりません。
お客様にとって相続は人生で数回しかない購買体験であり、何を期待できるのか具体的に理解できないと、サービスへの納得感が得られません。
サービス価値の訴求不足
単なる手続き代行と誤解されることが多く、専門家が提供する本質的な価値が伝わらないことがあります。
専門家がどのようにお客様の課題を解決し、リスクを回避するのかを具体的に説明することが重要です。
価格提示の順序の間違い
価格が安いものから提案を始めると、最終的に高額商品を提案する際の心理的ハードルが上がります。これにより、購買ハードルが上がってしまい、適切な価格で受任ができないことがあります。
サービス紹介のポイント
サービスを適切に紹介するためには、以下の点が重要です。
具体的で分かりやすい説明
遺産整理業務で行う具体的な内容を細かく一覧化したツールを活用して説明しましょう。専門家にとって当たり前のことでも、お客様には馴染みのないサービスであることを忘れないようにしてください。
専門家の介在価値を伝える
専門家が提供するのは「手続きの代行」だけではありません。例えば司法書士・行政書士であれば、お客様が抱えるリスクや不安を解消し、円満な相続を実現するためのサポートをすることが、専門家の介在価値です。この点を強調して説明することで、専門家に依頼する価値や必要性を理解してもらいやすくなります。
遺産承継を提案する際のメリット訴求の例
①手続きの一元化によるリスク解消
遺産整理では、各種窓口への対応が必要ですが、専門家に依頼することで、一つの窓口ですべて対応できます。これにより、手続きが進まないリスクを解消できます。
②感情的な対立の防止
専門家が感情と事実の整理をし、法律上できること、できないことを中立的な立場で話し合いを進めることで、感情だけに左右されない意思決定ができます。これにより、望まない相続争いに発展するリスクを回避できます。
③財産調査と財産目録の作成
財産を調査し、財産目録にまとめた上で、適切な分割案や相続税対策を検討することには、じつは非常に大きな貢献価値があります。しかし、この点を分かりやすく伝えていないケースが多くあります。ぜひ、財産調査や財産目録のサンプル資料を用意して、その価値を訴求するようにしてみてください。
価格提示のポイント
料金提示が最大の難所と思われるかもしれませんが、ここまでのヒアリング、想いとリスクの整理、サービス紹介といった前工程が正しくできていれば、全く難しいことではありません。ただし、抑えるべきテクニカルなポイントはいくつかあります。
充実したサービスから提案する
高価値の「松」から提案を始め、顧客のニーズや予算に応じて「竹」「梅」へとサービス内容を絞り込む形で提案します。これは心理的ハードルを下げる効果があり、結果として納得感を高めることができます。
料金とメリットをリンクさせる
価格だけを提示するのではなく、その料金に対してどのようなメリットが得られるのかを明確に伝えましょう。例えば遺産整理の料金には、「手続きが進まないリスクの解消」や「感情的な対立を防ぐ価値」、「調査および遺産分割のプランニング費用」が含まれることを説明します。
ツールを利用し概算見積を提示する
当然のことですが、明確な料金表を提示して、お客様の場合の「概算見積」を提示してください。ここを意外と実施しないケースが散見されますが、高額な無形サービスを「口頭で料金説明」は一般的にはあり得ません。
まとめ
相続に関する面談や提案の際には、サービス内容の具体的な説明とその価値を伝える工夫が必要不可欠です。お客様にとって、相続は人生で数回しかない購買体験であり、専門家の役割や提供する価値を正確に理解してもらうことが重要です。
特に料金提示の順序やサービスの価値説明を誤ると、信頼感や納得感が得られず、受注に至らない可能性があります。これを防ぐために、具体的なツールや説明資料を活用し、充実したサービスから提案するアプローチを取りましょう。
お客様が専門家に依頼する意義をしっかりと理解できるよう、サービスの本質的な価値を伝えることが、クロージング成功の鍵となります。
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