いつもお世話になっております。
株式会社船井総合研究所の大道です。

事業が拡大するにつれて、Excelでの進捗管理が限界を迎え、情報共有がうまくいかずに困っていませんか?
特に、案件が増えるほど、全員が同じルールで情報を入力できず、口頭での指示がバラバラに行き交い、情報が散乱するといった課題に直面しがちです。
また、そういった状況下では、担当者が不在の際に業務が滞る「属人化」が起こりやすくなります。

今回は、この課題をkintone導入によって解決し、情報の集約化とリアルタイムな案件管理を実現した司法書士事務所様の事例をご紹介いたします。
kintone導入の価値は非常に大きいものですが、ツールの導入がゴールではありません。
kintone導入の価値は、単にシステムを入れることではなく業務プロセスを改善することにあります。そして真のゴールは、生産性アップや顧客対応力の向上といった具体的な成果を達成することです。
ではkintoneの力を最大限に引き出すことで、組織全体の生産性を向上させ、所員全員が案件を即座に把握し、質の高い顧客対応が可能になるような顧客対応力を実現するために、同事務所はどのような取り組みを行ったのでしょうか。

目次

指示が散乱する「アナログな情報共有」の限界

今回ご紹介する司法書士事務所は、大阪府豊中市に事務所を構え、相続業務を強みに豊中エリアでトップクラスの実績を誇っています。

そんな同事務所では、案件数が増えるにつれて、Excelでの進捗管理と口頭による指示・情報共有の限界を感じていました。
案件に関する指示内容の記録場所が定まっていなかったため、情報が散乱し、担当者自身も指示を忘れてしまうなど、進捗把握に多大な時間を要していたのです。

そこで同事務所は、IT導入補助金を活用し、kintoneの他にも、電話とコンピューターを連携させることで、電話による顧客対応業務を高度化するカイクラというツール、チャットツールのChatwork、クラウドストレージツールのBoxを導入しました。
案件の指示や顧客とのやり取りを記録するコミュニケーションツールと、案件の進捗を管理するkintoneを連携させることで、案件管理に必要なあらゆる情報をkintone上にリアルタイムで集約できるようになりました。

kintone定着に至るまでの道のり

kintone導入を含めたデジタルシフトの必要性は理解していても、いざシステム導入となると、様々な不安要素があるでしょう。
「導入しても操作が複雑だと敬遠され、結局現場に浸透しないのではないか?」
「進行中の案件と並行して、移行作業やカスタマイズを行うのは負担が大きい…」
「カスタマイズするにも知識がなく、費用や時間ばかりかかってしまうのではないか?」
などといった不安要素がkintone導入のブレーキとなってしまっていませんか?
実は、同事務所も、導入当初はスムーズに定着したわけではありません。システム移行やカスタマイズを手探りで進める中で、所員全員がすぐに使いこなすことには壁がありました。
そこで同事務所は定着のために以下の工夫を行いました。

1.「現場の声」を取り入れた継続的な改善

運用を開始した後も、現場の意見を積極的に取り入れ、業務フローに合う形へカスタマイズを継続的に行いました。これにより、「使いにくい」という現場の不満を解消し、システムを自分たちのものとして育てていきました。このように「初めから完璧な形での導入」を目指すのではなく、「運用しながら所員とともに作り上げていく」姿勢はDX推進において非常に重要になってきます。

2.DX勉強会への全員での参加

パソコン作業に詳しい所員が多くない中で、「DX担当者育成プログラム」などの勉強会に所員全員で参加しました。
DX担当者育成プログラムとは、弊社が個社別に開催している、kintoneの基本スキルを身に付けていただくための講座です。全4回のプログラムの中で、実際にアプリを作りながら、kintoneの基本スキルが習得できます。
同事務所では、このプログラムを通じてkintoneの基本機能や業務フローに合わせた使い方を全員で理解し、組織全体のITリテラシーを高めることで、「運用しながら所員全員で作り上げていく」環境を整えました。その結果、kintoneのシステム運用をわずか半年で定着させました。
DX担当者育成プログラムについての詳細はこちらをご確認ください。

kintone導入による効果

kintone導入は、情報管理・情報共有をスムーズにし、所内の効率化を達成しただけでなく、顧客への提供価値向上にも大きく貢献しました。

1.全員が案件を即座に把握し対応できる、質の高い顧客対応

案件管理アプリに全情報がリアルタイムで集約されたことで、担当者が外出中や急な休みの場合でも、案件の進捗が確認・対応可能になりました。
案件の進捗確認において特に役立っているのがkintone内の「ボール機能」と呼ばれる一覧機能です。この機能では、「誰がいつまでに業務をやらないといけないか」というのが一覧で把握できるため、この機能を活用することでお客様の進捗情報が一目でわかるようになりました。

これにより、担当者不在を理由に顧客を待たせることなく、他の所員が即座に対応できる体制が構築され、顧客サービスの質が向上しました。いわゆる「属人化」の状態から脱却したのです。

2.情報の一元管理で実現する、経営の「見える化」

kintoneに案件情報だけでなく、請求額や入金状況、過去の請求書や売り上げなどの数字を一元管理することで、経営状況の数字的把握が迅速かつ正確になりました。
例えば案件とは別部署の管理であった入出金管理について、担当部署とkintoneのデータを共有し、kintone上で入出金の管理まで行うことで、入出金の状況をリアルタイムで確認できるようになりました。
また、過去の案件に類似した案件をいただいた際には、過去のデータに基づき、より明確でスピーディな見積もりをお客様に提供できるようになりました。
さらに、着手金と追加報酬というように一案件内で複数回の請求にまたがる場合でも、トータルの売り上げを一覧で把握することが可能になりました。
このように、数字の把握が早く正確になったことで、数字に紐づけて案件を進めることができるようになりました。

kintone活用で広がる士業事務所の未来戦略

同事務所は、kintone導入で満足することなく、kintoneを活用したさらなる成長戦略を進めています。
その一つが、kintoneを活用した商業登記の管理です。役員変更登記(会社法の規定により、原則として10年に一度必ず発生する手続き)などの期限をkintoneで一元管理することで、お客様への提案タイミングを逃さないよう計画しています。
また、蓄積された過去のお客様データは、営業活動に効果的に活用できます。具体的には、お客様データをDMや公式LINEといった情報発信に繋げ、新規顧客獲得に活かす試みです。このようにkintoneは、お客様へのサービス品質を高めるだけでなく、データ活用を基盤とした成長戦略の要となっています。

この事例についての詳細はこちらからご確認いただけます。

導入負担を最小限に、成果を最大化するノウハウを公開

情報管理をExcelやアナログな手法に頼る時代は終わりを告げています。少子化や人口減少に伴い、人材採用が厳しさを増す中で、仕事の効率を上げ、少ない人数で多岐にわたる業務に素早く対応していくためには、デジタルシフトが欠かせません。その中でkintoneは、専門的な知識がなくても導入・運用しやすく、現場の所員と経営層の双方に大きな成果をもたらす点が特長です。
本セミナーでは、kintoneの基礎知識から、今回の事例のようなkintoneを最大限に活用する方法まで、徹底的に解説いたします。
さらに、弊社では士業の皆様の業務に合わせて整理されたkintoneの基本パッケージをご用意しております。また、ご紹介した通り、「DX担当者育成プログラム」といった、導入後の定着を支えるサポートも提供しております。

実際にサポートをご利用いただいた方からは、以下のようなお声をいただいております。
「kintoneは事務所ごとにアプリでオペレーションを組むことができるので、 元々のオペレーションにおいて課題に感じる部分があれば、船井総研さんに相談してkintoneをより使いやすくすることで情報の共有が捗り、様々な手間が省けます。」

kintone導入、ひいてはデジタルシフトに関して具体的な一歩を踏み出すことに躊躇されている方は、ぜひ一度セミナーにご参加ください。皆様のご参加をお待ちしております。

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この記事を書いたコンサルタント

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