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  • 相続税申告の報酬を上げた結果、どう変わったか!?税理士法人チェスター様の取組み

いつも本コラムをご覧いただきありがとうございます。船井総研の川崎です。

先日、「税理士法人チェスター」の代表荒巻善宏先生と情報交換をさせていただく機会を頂戴しました。

荒巻代表には以前弊社で主催した事務所視察ツアー、それから弊社主催経営研究会などでも
ご講演をいただくなどでお世話になって以来、お話をさせていただいているのですが、
今回もチェスター様の取組みの中で先生方にシェアしておきたい内容がありましたので、
本コラムを通じて共有させていただきたいと思います(荒巻代表には許可をいただいております)。

目次

報酬を上げると「価格競争に負け、集客ができない」?!

税理士や司法書士、行政書士など相続分野に取り組む事務所様は、
特に競合環境が厳しい都心エリアにおいては相続税申告、相続登記などの報酬を下げることで
価格競争力を持ってシェアを獲得しようと考えられる事務所も多く、年々報酬単価が下がっている傾向にありますが、「税理士法人チェスター様」は5月度に報酬改定を行い、既存報酬よりも値上げを行うことを決め、実行されました。

通常、報酬を上げると「価格競争に負け、集客ができない」「反響が減って売上も減るのでは」というリスクがあり、なかなか取り組まれる事務所様も多くはないかと思います。

「税理士法人チェスター様」としても、その様なリスクはありながらも、年々利益が事務所に残らなくなっている士業業界全体の課題を変えたいという想いから値上げに踏み切られ、積極的にそのことを発信されていらっしゃいました。

反響は変わらず、売上が増えた!値上げの必要性を再認識

取組みの結果、受任単価が上がり、WEB経由の反響件数も殆ど変わらなかったとのことで、事務所としては取り組んでみて成功だった、とのことです。

さらに、「税理士法人チェスター様」だけでなく、その後相続税申告のWEBマーケティングに取り組む競合他社もこぞって相続税申告の報酬改定を行っていたようです。

それまでの報酬では利益が残りにくくなっており、事務所経営が改善されていないことに危機感を持っていた事務所経営者様が多く、チェスターが値上げするなら…と取り組んだのではないかと思います。

さらに、チェスター様は昨年度から財産の名義変更など相続手続(行政書士的業務)にも本格的に取組みを開始され、相続税申告顧客に対して追加提案を行るようになり、結果として相続の受任単価、顧客LTVは大幅に向上しているようです。

税理士資格者採用、スタッフ採用にも大きな効果があった

また、「税理士法人チェスター様」の採用活動の中で、相続業務に取り組む大手士業事務所出身の方からの応募、採用が増えているようです。

転職のきっかけは「給与が低い」「勤務時間が長くブラック化している」という理由が多く、スタッフにとって働きやすく勤続しやすい環境とは言えない事務所も多いようで、そんな状態になっている要因の一つが「相続業務での利益創出が出来ていない」ことにも起因しているのではないかと思います。

「税理士法人チェスター様」は前述の通り、利益創出に成功し、スタッフに還元、スタッフ採用にも反映させたところ、採用のコンバージョンも高まっているとのことで「相続税申告報酬の値上げ」による効果を感じている、とのことでした。

もちろん、全ての事務所様にとって「報酬値上げ」の動きが正解、ということではなく、競争の中での値下げ&シェア獲得戦略を取ることもあると思いますが、逆に報酬単価を上げ、その分サービスレベルを高め顧客満足度を上げることで、結果として利益率が高まり、それが事務所経営、人材定着、採用戦略などにも大きな効果を生む可能性があるということについて、ぜひ先生方も検討してみていただけると良いのではないでしょうか。

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この記事を書いたコンサルタント

船井総合研究所 相続グループ

船井総合研究所の士業支援部・相続信託ビジネスグループです。
相続・財産管理業務に注力する会計事務所、法律事務所、司法書士事務所、行政書士事務所の相続周辺業務を中心に経営を考えます。