今回は講師としてご講演いただいた株式会社 継志舎 代表取締役 石脇 俊司 様の「保険を活用した民事信託設計」から、ご発表内容を解説します。
1.よくある危険な民事信託設計
2.正しい民事信託の普及のために必要なこと
3.士業の先生方に取り組んで欲しいこと

日ごろよりコラムをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
 
今回は大好評でした4月27日(土)の
民事信託研究会の開催レポートです。
 
弊社船井総研では
民事信託に取り組んでいる・今後取り組みたい士業事務所様のために
民事信託研究会を開催しております。
 
今回の研究会のテーマは、
「保険×民事信託」でした。
 
 
今回は講師としてご講演いただいた
株式会社 継志舎 代表取締役 石脇 俊司 様の
「保険を活用した民事信託設計」から、ご発表内容を
 
1.よくある危険な民事信託設計
2.正しい民事信託の普及のために必要なこと
3.士業の先生方に取り組んでいただきたいこと
 
の3点から、お伝えさせていただきたいと思います。
 
 

目次

1.よくある危険な民事信託設計

石脇様は、商事信託での経験から、民事信託の必要性を感じ、
業務を通じて社会に貢献するという信念のもと、
民事信託に取り組み始めたそうです。
 
幾つもの民事信託に関わってこられた経験から、
・よくある危険な民事信託設計
・自社株承継信託や不動産信託の活用事例
・提案から受任までの流れ
・民事信託設計における留意点
についてご説明していただきました。
 
特に、よくある危険な民事信託設計として、
以下の点に注意していく必要があるようです。
 
・多方面にわたる検討を経ないで作られた信託
 
・信託目的が明確ではない信託
 
・委託者の家族関係、資産保有状況をよく把握せずに進めること
 
・受託者は適任か?受託者を支援する者があるか?
 
・信託終了時の残余財産の帰属先は明確か?
 
民事信託も決して万能ではないため、
正しい民事信託の普及をしていくことが必要なのです。
 
では、正しい民事信託の普及のために
必要なこととはどういったことなのでしょうか。
 

2.正しい民事信託の普及のために必要なこと

民事信託は自由な信託設計ができる故に、正しく使っていくことが必要です。
 
そのために、以下の心がけが重要となります。
 
・専門家として信託を研究すること
 
・資産管理と資産承継について、お客様が実現したいことを理解すること
 
・(民事)信託は、資産管理・資産承継に有効な仕組みだが、
 万能ではないと理解すること
 
・お客様の状況に応じて、民事信託以外の仕組みも併用すること
 
・テンプレートで対応できるとは思わないこと
 
・民事信託の設計と支援は、1人の専門家のみで対応するのではなく、チームで対応すること
 
・必ず他者のチェックが得られる体制で取り組むこと
 
・信託に加えて、リスクヘッジや補完する仕組みをあわせて検討すること
  
・特に、遺留分対策については生命保険が重要であること
 
・民事信託の受託者を継続的にサポートし続けること
 
つまり、民事信託設計をする方の背景を知り、
それぞれに応じた民事信託設計をしていくこと、
そして、民事信託設計をしたら終わりではなく、
継続的にその方をサポートしてく体制が重要なことが分かります。
 
それぞれに合ったオーダーメイドの
民事信託設計をしていく必要がありそうです。
 

3.士業の先生方に取り組んで欲しいこと

最後に、石脇様は民事信託に取り組む士業の先生方に取り組んで欲しいことについて
次の3点をおっしゃられました。
 
・信託を取り組むためにもご本人の専門領域以外の専門家との
 ネットワークをおつくりください
 
・信託は財産管理の制度です。
 不動産、金融資産、自社株が今後どのようになるかを推測しながら
 信託の仕組みをご検討ください
 
・民事信託では財産管理の専門家でない受託者が財産管理を行うことになります
 信託設定後の継続的な受託者支援も行ってください
 
 
民事信託設計をする上では、
決して一人だけで取り組むのではなく、
何人かでチームを作って取り組むことや、
現在の状況だけでなく、
今後どういった流れになるのかを予測したうえで、
継続的に受託者支援を行っていくことが大事とのことでした。
 
今後は士業の先生方がネットワークを活かし、チームを作り、
受託者の継続したサポート体制を作っていくことになっていきそうです。
 
 
今後の民事信託設計では、
「民事信託+生命保険」(+遺言+任意後見)
といったように様々なリスクヘッジを備えていくことになりそうです。
 
気づけば、士業の先生方が保険の代理店なんてこともあるかもしれません。
 
しかし、その場合は、保険を売りつけるといったイメージとは全く違い、
安心した相続をするために、保険をセットにするといった意識になるかと思います。
 
また、民事信託に専門的に特化している事務所は、
受託者を継続してサポートしていくために、
法人化が進むことも考えられます。
 
受託者は専門家ではありません。
 
民事信託設計をお願いする際も、大きな不安を抱えているはずです。
 
それをご相談した事務所様が
「継続してサポートしますのでご安心ください」
と言ってくれたのであれば、
それはきっと、事務所様の一つの強みになっていくはずです。
 
専門家同士のネットワーク作りがさらに加速していく時代になっているのかもしれません。
 
そして、こういった専門家同士のネットワークを作れる場が
弊社船井総研には御座います。
 
弊社船井総研では
民事信託に取り組んでいる・今後取り組みたい
士業事務所様のために民事信託研究会を開催しております。
初回参加は無料になります。
 
次回の研究会の開催は6月9日(日)になります。
テーマは、「不動産オーナー×民事信託」です。
 
研究会の詳細資料はコチラ
https://funaisoken.account.box.com/login?redirect_url=https%3A%2F%2Ffunaisoken.app.box.com%2Fs%2Fkflkwqgbxtk5fj3b3q40lm9cbj3uxfcf
 
以上になります。
ご購読いただきまして、ありがとうございました。

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この記事を書いたコンサルタント

船井総合研究所 士業支援部

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