この記事では、遺言の受任単価を2倍以上にするカンタンな方法についてまとめております。
・『遺言作成費用10万円』を辞める
・遺言相談者のニーズを見定める

「費用を安くすれば集客できる」は本当か?

私たちコンサルタントが先生方のお手伝いをする中で感じることが、司法書士事務所の大半が自分たちの商品やサービスに低すぎる価格設定をしている、ということです。

先日、ある債務整理業務に注力する事務所様との取り組みの中で、5年前に債務整理分野に注力し始めた当初の任意整理の価格は2万円だったのですが、現在は3.5万円と、175%も価格を上げているのですが、先月の任意整理の受任は、お手伝いするようになって過去最高件数でした。

価格は見込み客の購買決定やビジネスの成功において、それ程大きな要因にはなりません。もしくは、必ずそうなるとは限りません。顧客に対して自社が提供するサポートがどのような効果や成果を出しているかから報酬を考えているのではなく、「かつての報酬基準のまま」という先生が多く、前述の「費用対効果」を考えていないだけ、というのが実態のようです。

「『遺言作成費用10万円』は辞めよう」

昨年度に開催した弊社の相続セミナーでお話をいただいた司法書士の先生が「『遺言作成費用10万円』は辞めよう」ということを仰っていました。多くの先生方の反応は「とは言っても・・・」と積極的とは言えませんでしたが、今現在、私たちがお手伝いしている司法書士事務所様の遺言作成案件の平均受任単価は20万円を超えているところがほとんどです。一体何をしたと思いますか?実は、それ程難しいことではなく、今まで一括りで考えていた『遺言』というサービスを見直してみただけです。

遺言相談者のニーズを見定める

遺言作成の相談者のニーズを大きく以下の二つに分けます。

「自分が決めてきた遺言内容を公正証書にするお手伝いをしてもらいたい(証人になって欲しい)」という【ニーズA】と「色々対策を考えた中で遺言が良さそうだと考えており、内容もある程度は決めてきたけど、本当にそれでいいのか不安だから、家族関係を説明するので、最適な対策を提案して欲しい」という【ニーズB】。先生方の事務所には、どちらの相談が多いですか?ニーズBではないですか?

では、ニーズAとニーズBに対して、先生方にとってかかる稼動工数、提案レベル、責任は同じですか?最終的な手段、サポート内容の結果は「遺言作成」ということになったとしても、それにかかる稼動工数、提案レベル、責任はニーズBが格段に上だと思います。であれば、ニーズ別にサポートメニューを分けて、報酬体系も変えることが必要ではないでしょうか。

報酬が2倍以上になり、顧客からも喜ばれ、口コミが更に増える

そこで、私たちのご支援先では、ニーズAに対するサポートメニューを仮に「遺言作成サポート」としてこれまでの報酬体系で対応。一方、ニーズBに対するサポートメニューは仮に、遺言だけでなく、生前贈与やケースによっては保険なども提案する「生前対策サポート」とし、財産額別に従量制の料金表を作成し、提案をするようにしていただいています。その結果、顧客側も自分の不安や悩みに対してじっくりと検討された上で最適な提案を受けることができるというメリットがあり、事務所側としても、かけた工数、提案、それによって生じる責任分の報酬を貰うことができ、顧客からも更に喜ばれるようになって、口コミが増えたとの事でした。

多くの事務所にとって、すぐに利益を伸ばす方法の一つが、価格を上げることです。常に、顧客にとっての価格分の価値を問うようにし、報酬を上げても喜んでご依頼いただけるサポートメニュー作りやターゲット市場を考えたいものです。

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この記事を書いたコンサルタント

船井総合研究所 相続グループ

船井総合研究所の士業支援部・相続信託ビジネスグループです。
相続・財産管理業務に注力する会計事務所、法律事務所、司法書士事務所、行政書士事務所の相続周辺業務を中心に経営を考えます。