今回のコラムでは相続事件の報酬規程についての時流を大きく3つに分けてお伝えさせていただきます。
(1)初回相談無料化と長時間化
(2)着手金の低額化
(3)報酬金の最低額設定
こんにちは、船井総研の鈴木ゆたかです。
今回のコラムでは相続事件の報酬規程についての時流を
大きく3つに分けてお伝えさせていただきます。
(1)初回相談無料化と長時間化
(2)着手金の低額化
(3)報酬金の最低額設定
目次
(1)初回相談無料化と長時間化
まず(1)の初回相談無料化と長期化ですが、
以前から法律事務所の初回相談料はマーケティングを積極的に行う事務所においては
30分を限度に無料であるのが一般的ではありましたが、
近年ではマーケティングを積極的に行わない事務所においても無料相談は一般的になりました。
さらに、初回相談の面談時間が30分と設定されていたのが一般的でしたが、
60分間、もしくは無制限に変更するなど、相談時間が長期化しています。
これらの変化の要因は、マーケティングを行う事務所が増え、
依頼者の選択肢も増加したことにより、
依頼者が「話を聞いてくれる弁護士」を選ぶ傾向になっているためです。
他事務所との差別化を図る上では、
相談料が有料であることや相談時間が短いなどは
問い合わせ率を下げる要因になりますので、変化させていきたいですね。
(2)着手金の低額化
続いて(2)の着手金の低額化です。
地域によっては複数の事務所が遺産分割事件の着手金を無料にすることや、
5万円~10万円程度の低額化に踏み切っています。
この場合、報酬金計算の設定によって総合的には従来と近い形で
全体的な報酬額(着手金と報酬金の合計)を獲得できるような仕組みになっています。
依頼者は相続財産が手元に入るまでは手出しで弁護士に依頼をすることもあり、
着手金が高額であることは従来から依頼の際の高いハードルでした。
着手金の低額化によって、かつて依頼をためらっていた層が
弁護士への依頼を積極的に検討するようになり、マーケットが活性化されるでしょう。
このような流れは今後より顕著になると考えられます。
地域の他事務所と比較し着手金が高額である場合は見直しを図るべきです。
(3)報酬金の最低額設定
最後に(3)の報酬金の最低額設定です。
通常の事務所は相続紛争事件の報酬金の設定方法は
○万円+経済的利益の○%(得られた経済的利益の額によって%の数値も変更される)ですが、
得られた経済的利益が少ない場合、多くの報酬を獲得することは難しく、
先生方の悩みの種でもあるかと存じます。
そのため報酬金額は「最低50万円」など、
額を決めることで弁護士の先生方の稼働に見合った報酬金を得られるよう、
再設定をする事務所が増加しています。
報酬金については検討したことがない事務所も多いかと思いますが、
マーケティングを積極的に行っている事務所は確実に計算して改善しています。
質の高いリーガルサービスを提供している事務所こそ、弁護士報酬の見直しが重要です。
相談料・着手金・報酬金の見せ方だけで依頼者の感じ方を変えることが可能です。
今回のコラムをお読みいただき、弁護士報酬規定を改めたいと思った先生は、
一度ご自身が依頼者となったらどう思うかと想像してから
報酬改定を検討していただきたいと思います。
また、弁護士報酬についてご自身で検討することが難しい、
コンサルタントの意見を聞いてみたい、という先生がいらっしゃいましたら、
4月13日(土)に開催されます次回の相続・遺言業務研究会にて
弁護士報酬を検討する時間をワークとして設けておりますので、ぜひご参加くださいませ。
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