この記事では、相続発生後分野で勝ち残るポイントをまとめております。
①資本力:販促コストへの資本投下
②規模:大量受注&処理ができるスタッフ体制
③営業力:金融機関や葬儀社への開拓
④高単価バックエンド商品:不動産売却手続き、二次相続で収益化できるバックエンド商品
⑤ファクトリー化:高生産性業務処理で利益が残る体制があるか
先日、船井総研主催の「民事信託マーケット攻略セミナー2021」を開催し、
まとめ講座で少しお話をさせていただきました。
本日は、その中でお伝えしたことを一部、シェアしたいと思います。
・相続発生後手続業務は既に激戦。コモディティ化し、価格競争へ
ある相続税専門大手税理士法人は相続税申告報酬を最下限13万円から、
と業界平均の30%まで報酬を下げて、圧倒的な価格競争力で勝負しています。
また、東京の司法書士事務所では相続登記&預金解約3行の手続で
14.8万円から対応と、リーズナブルな報酬体系で、
かつ面談レスで依頼できるというサービスを開始し、
一定のニーズを獲得しています。
この様な手続業務のコモディティ化、値下げ競争が都心だけでなく、
全国に少しずつ、でも確実に広がって行きます。
・相談の川上を抑えた企業だけが勝ち残り、他は全て「下請け」に
大手司法書士法人や行政書士法人が、大手葬儀社&地域一番葬儀社
に営業をかけ、葬儀顧客のアフター対応を代行し、相続顧客を大量に
獲得している動きが活発になっています。
また、それらの取組みは葬儀社だけでなく、地銀、信金などの
金融機関にも広がってきています。
その様に、相続発生時点の顧客にリーチする業種を抑えてしまい、
実際に獲得した見込案件や受注案件を、提携する外注先事務所に
依頼し、紹介手数料を得るというスキームで広げている事務所や
企業もあります。
大本の提携先事務所、企業が収益を得る仕組みになっており、
その外注先となる事務所は、相続売上の半分程度しか得られず、
利益が上がりにくい体制になっていて、疲弊しているのが実態です。
・相続発生後分野で勝ち残る為のポイント
「①資本力」:金融機関や不動産会社など、士業よりも資本やブランドネームがある企業と対峙しても負けない販促コストなどの資本投下ができるか
「②規模」:大量受注&処理が可能なスタッフ処理体制があるか
「③営業力」:金融機関や葬儀社への新規開拓はもちろん、継続的に行員や葬儀スタッフにリーチし続け、信頼を構築し続ける営業力があるか
「④高単価バックエンド商品」:顧客獲得の為のフロントエンド商品は利益を削り、不動産売却手数料や二次相続(信託、遺言執行など)で収益化できるなど、高単価バックエンド商品が提供できる体制にあるか
「⑤ファクトリー化(生産性)」:業務処理のシステム活用、デジタルシフトによる省人化に成功し、圧倒的な高生産性業務処理で利益が残る体制を創れているか
以上がポイントで、もし今後の事務所経営ビジョンが上記に当てはまらない場合には、
「生前対策・財産管理」分野注力にシフトという提案をしました。
もちろん、事務所の立地(都市圏か地方か)などによっても差がありますが、
特に相続発生後の手続業務を取り巻く環境はここ3年で大きく様変わりしていて、
ここに、デジタルシステムの開発などが加われば、更に劇的に変化していくでしょう。
とりわけ、都市圏の小規模事務所にとって相続分野は厳しくなることが
予想される為、民事信託や生前対策コンサルティング、事業承継等にも、
今のうちから積極的にチャレンジしてもらいたいです。
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